「少年と深海生物」

 

 

「少年と深海生物」

 


ある少年は、

「世界よ壊れろ」

と思いながら生きている。

そんな少年にはたった一つ、奇妙な能力がある。

それは、世界を壊せる深海生物に、「世界を壊せ」と命令できること。

少年はそのことを知らない。

見たこともない深海生物に興味もない。

その生物は少年の命令を待ちながら、悠々とプランクトンを食べている。

やがて少年は大人になり、愛を知る。

「壊れるな世界」

と願う。

深海生物はそのことを知らない。

見たこともない人間に興味もない。

今日もプランクトンを食べている。

 

 

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