「逃げるということ」

 

 

「逃げるということ」

 

 

逃げるのは空しい

逃げるのは居心地が悪い

逃げるのは惨めだ

逃げるのは簡単だと言う者がいる

誰にでも逃げ場所があるのだと

だから逃げるのだと思っている

逃げるのは簡単なことじゃない

逃げるには逃げ場所がなければならない

行き先の分からない電車に誰が乗る

それでも逃げなければならない時はある

逃げ場所もないのに逃げなければならない時はあるんだ

だから逃げる先から次の行動を始めなければならない

逃げとは次の始まりなんだ

空しいと感じても空しいことではないし

居心地が悪いのは気のせいだし

惨めだと思うのなら次に賭けろ

もう始まっているんだ

 

 

「居場所」

 

 

「居場所」

 

 

常に居場所を探している

自分の居場所はどこかと

それはどこかにありそうで

だから探すのに

それはどこにもないと

心のどこかで感じている

ここが自分の居場所だと

言うのは簡単なことだけど

そこに疑問を感じないのは

その場所に満足しているからだろう

居場所とは自分で作るものなのか

どこにいても不安という限界が付きまとう

ここにいていいのかという不安

このままではいられないという不安

常に居場所を探している

心が居場所を探している

 

 

「強い、風」

 

 

「強い、風」

 

 

冬の夜 曇り空 風

枯れ木のざわめき 葉ずれ 強い、風

不吉な風 雲の流れ

漣立つ川面

カタカタ揺れる墓の卒塔婆 死者の笑い

交差点を横切る小さな黒猫

走り去った道に姿は見えず

辺りを見渡す 不穏な空気 強い、風

不吉な不吉な 強い、風

 

 

「歌おう」

 

 

「歌おう」

 

 

歌おう 歌おう

生きてる意味を

歌おう 歌おう

ここにいる意味を


どうして この世は

こんなにも苦しい

泣いても 泣いても

もう戻せない

だから


歌おう 歌おう

生きてる意味を

歌おう 歌おう

ここにいる意味を


歌おう 歌おう

思い出を

あの日々を

歌おう

 

 

「本当ノ処(ホントウノトコロ)」

 

 

「本当ノ処(ホントウノトコロ)」

 

 

他人だからわからないんじゃなくて

わからないから他人なんだ


仕事がつまらないんじゃなくて

つまらないから仕事なんだ

 
人生がつらいんじゃなくて

つらいから人生なんだ


望むものを得ることが

幸せだろうか

本当に?


見たいものを見ることが

幸せだろうか

本当に?


食べたいものを食べることが

幸せだろうか

本当に?


満足することが

幸せだろうか

 

本当に?

 

 

「野良猫の死」

 

 

「野良猫の死」

 

 

野良猫が死んでいた

秋の枯れ葉に包まれ 道の端で

静かに横たわっていた


一目で 死んでいると

脳が理解する

なぜだろう 死はすぐに分かる

重力に逆らっていないことが 分かるからだろうか


あの猫は 最後に何を見たのだろう


何を見て 重力から解放されたのだろう

 

 

「霞み」

 

 

「霞み」

 

 

今日も

この夜空と

電線の網を

見上げながら

道を歩く


汚れたレンズで

街灯を見れば

万華鏡のような

幻想世界

眼鏡を外した

先にある

乱視の世界は

とても綺麗だ


遠くの景色は

輪郭がぼやけ

街頭の光は

結晶のように

形を成す

信号の光も

看板の文字も

車のテールランプも

人の顔も

見たいことも

見たくないことも

はっきり見えなくなる


だから

眩しくて

だから

綺麗に見える


淀んだ瞳が

映す夜空

淀んだ瞳が

映す

夜を

内包した

窓ガラスの

向こう側

嫉妬にまみれた

夢の


今は

うつつか

夢の

つづきか

気ままに瞬く

目映い星

街の水温は

生ぬるい

きれいなレンズに

映るのは

汚れた

現想世界だ


それでは

みなさん

おやすみなさい

 

 

「在るがまま」

 

 

「在るがまま」

 

 

毎年3万人も自殺する、この国で

それでも私(君)は、生きている

死にたいのなら、死ねばいい

辛いのは、知ってる

苦しいのも、分かってる

それでも、

死にたいのなら、死ねばいい

生まれた意味を、捨てたいのなら

なぜ君(私)は、生きているのか

生きているから生きているとしか、言いようがない

産んでくれた、親をうらむか

なら、死んだほうがいい

生まれたくなかったと、思うのなら

それでも、生きている

これを読んでいる、君は、生きている

生きているのだから、意味はある

考える必要なんか、ない

生きていればいい

 

 

「no_title」

 

 

「no_title」

 

 

藤さらさら風吹いて

花びら一枚ちぎれ飛ぶ

そよぐままに そよぐままに

 


/ ※ /

 


関心のない世の中に

恥を知らない世の中に

軸のない世の中に

許容できない世の中に

 


/ ※ /

 


自然はどこにある

不自然はあふれている


自然はどこにある

 


/ ※ /

 


自分が正義と呼び

他人が正義だと叫んだら

それは正義だろう

 


/ ※ /

 


ビールと薬とサンドウィッチと

ケーキとビタミン剤とサラダと

バナナとブランデーとレーズンチョコ

とハムとアップルパイ

 


/ ※ /

 


想いという罪を犯した

真実という罰を受けた

想ってはいけなかったのか

そんな自由はなかったのか

 


/ ※ /

 


階段に落ちた一本のヘアピンが

世界を壊すことだってあるかもしれない

それは全世界かもしれないし

一個人の世界かもしれない

 


/ ※ /

 


空腹はない

あるのは飽食だけ

孤独はない

あるのは閉塞だけ

満足はない

あるのは退屈だけ

最高はない

あるのは最低だけ