「或る、八月の日」

 

 

「或る、八月の日」

 

 

まとわりつく湿った空気

木陰にゆれる猫じゃらし

聞こえてくるピアノの音

見つめてくる猫の眼差し


夕立ちに降られ大粒の

雨滴の彼方に青い空

どこから降るのか見渡せば

後ろの空に灰の雲

雷鳴、轟き

雷光、瞬く

ひどく降る雨の中

蝉は鳴き続ける

濡れない場所にとまっているのか

鳴きやむつもりはないらしい

雷、雨、蝉に

ひどく騒がしい

どれかやめばいいものを

音に支配され雨宿るうち

夕立ちは静かに上がっていった

雷は遠くに移ったらしい

蝉は鳴くのをやめていない


向かう先に雲はない

蝉はひどく騒がしい

 

 

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