「劇場版selector destructed WIXOSS」

 

「劇場版selector destructed WIXOSS」

 

劇場版が公開されると知ってから、ずっと心待ちにしていた。完全新作とはいかないだろうと思いつつ、どんなものが見られるかという期待もあった。

selectorの魅力は、実際のカードゲームを基にしたアニメであっても、そのゲーム的な部分を最小限に抑え、ドラマ性を追求したところにあると思っている。その点、プロデューサーの山口氏はスタッフコメントで、『魅力的なアニメがある前提で、商品も作っていきたいと思っていたので、その方向が間違っていなければ、アニメがカードゲームのルールブックである必要はない』と語っており、一種の賭けのようなものであっても、そういう描き方に挑戦しようとした点に、素直に好感を持っている。

一旦放映されたTVアニメの劇場版というものには「総集編+新作カット」という形態もよく見受けられ、特に、2クールのアニメを一つに凝縮する場合、やはり拙速になってしまったり、重要でありながら削られてしまう部分も出てしまうのが常である。TVアニメの「劇場版~」というものを見たことがある方なら、一度は覚えのあることではないだろうか。この点、脚本の岡田氏は、『多少意味が通らなくてもスピーディーに映像的な快感を優先』しようとしたと語っており、私自身、TVシリーズを見ているから理解できたところもあったのは確かである。ただ、新たに追加されたシーンが、ウリスという「悪」そのもののキャラクターを理解するための重要なポイントとなっており、その新しい視点から作品を見るという点で、TVシリーズとは、また違った感触を得られるのではないかと思う。

そして、TVシリーズの未来を予感させる終わり方も良かったが、劇場版の終わり方もまた、私にはグッとくるものがあった。佐藤監督曰く『プラスアルファ』である、その部分を見るために劇場に足を運ぶのは悪くないと思う。彼女たちの結末を見届けることができて、満足している。

(『』はパンフレットに依った。)

 

2016年2月23日(火) 角川moviewalkerに投稿。退会のため転記。

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