「サムライチャンプルー」

 

「サムライチャンプルー」

 

見始めた手前、最後まで見たが、各話ごとに甲乙あって評価が難しい。ただ、2クールという枠組みありきで、無理に引き延ばした感は否めない。絵も浮き沈みが激しく、特に前半は安定とはほど遠い。粗製濫造といった印象。

特に九話がいい例で、雑な絵で内容もひどい。手抜きなのは明白で、埋めなきゃいけないからと惰性で作ったようにしか見えず、どうしても描きたかったようには到底思えない。テレビ局側の都合とはいえ、テレビ放映が十七話で打ち切られたことも無関係ではないのかもしれない。

細かく見ていけば良い部分もたくさんあった。一話の型破りな殺陣から始まり、八話や二十三話のようなテンポの良いギャグ回、十一話のジンの艶っぽい話、十四話の朝崎郁恵の沖縄民謡に合わせたムゲンの過去編、十五話の女隠密八葉の話、十六~十七話で出会うオクルの話と琵琶の曲、十八話のヒップホップ回、二十~二十一話の盲目の旅芸人沙羅の話・・・と、内容ないしアクションで魅せる話も多かった。

ただ、並べてみれば印象に残った話は中盤以降に偏っている。一話の興奮が二話ですぐに途切れ、序盤が間延びしてしまったのは残念だった。また、ラストも盛り上がりに欠けた。最後まで引っ張るだけの要素も少なかったためだろう。気持ちよく終わる後味はよかったが、この結末を描くためにこれだけの長さが必要だったのだろうかと感じた。

だが、監督が結末よりも道中の旅模様に重点を置いていたと考えれば、むしろ結末は重視するものではないのかもしれない。必死で旅してきたのに結末はあっけないもの。三人にとっては人生という旅の途中で、たまたま一緒になっただけ。それぞれの旅はこれからも続き、違う話がまた始まる。そう考えれば、深いテーマを探そうとするほうが野暮なのかもしれない。

エンディングの雰囲気はMINMIの曲と相まって非常にいい味を出していた。作中でもっとも良かったのはエンディングだと言ってもいいぐらいである。面白いコンセプトだっただけに、もったいないとしか言いようのない作品だった。

 

四話


「けどな、世の中そんなに甘くできちゃいねぇ。おかしいと思ったって、首を縦に振らなきゃいけねぇときだってぇあんだよ」

「くっだらねぇ」

「なに?」

「言い訳しながら生きてんじゃねぇよ。テメェの生き方決めるのはテメェ自身だろ」

 

十一話

『そりゃ、つらいことだってあるわよ。でもね、私は本当に悲しいとき、笑うのよ。悔しいから笑い飛ばしてやるの』

 

十七話

『義理が廃れば、この世は闇よ』

 

二十話


「私は、ずっと暗い道を歩いてきた。でも、人間どんなことにも慣れるものよ。見えなくったって色んなことが分かるようになってくる・・・。だから、憐れだとか思わないでほしい」

「馬鹿言ってんじゃねえよ。あんな唄、幸せな奴に唄えるもんかよ」

『幸せなんて言葉は、ずっと知らなかった。ただ、あの子が生まれたとき、人並みに夢を見ちゃっただけ・・・』

 

『サムライチャンプルー』

放送期間:2004年5月~9月
原作:マングローブ
監督:渡辺信一郎
アニメーション制作:マングローブ

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